私、店長萬田の娘たちはアレルギー肌、ぜんそく持ちでかみさんがシャンプーやリンス、洗剤など無添加アトピー肌対応の物をわざわざ取り寄せ、タオルなども彼女たち専用とし、さらにお風呂上がりには体中に薬を塗っています。夜中にボリボリ掻いている子供達もかわいそうですが、専門書片手に色々対処しているかみさんも大変そうです。アトピーやぜんそくの子供を持つ親として間違いなく「アレルギー体質」に意識を持たざるを得ない環境である事は事実です。
週末くらいしか専用シャンプーで頭を洗ってあげたり薬を塗ってあげたりできない、親父は他人事ではないのですがどこか言われるがままで少し当事者意識は欠如していましたね。ある時、先生から「幼稚園のおやつの時間にホットケーキが出る日は子供が不憫なので休ませる親御さんもいらっしゃるのですよ」と食物アレルギーの深刻な現状を教えていただきました。他の子供たちと同じ物を食べられないお子様自身もかわいそうですが、何ともしてあげられない親御さん方は自分の責任だとご自身を責められる傾向にあり、さらに学校始め社会生活において食物アレルギーに関しての理解が乏しい事もあり相談する人もいない、という話をうかがいました。私、萬田は食べ物を作るお仕事をしています。ですから法律でアレルギー表示の記載が厳しくなり明記の必要性がある事は分かっていましたが、単に法律で決められた事という認識だけで実情は全く知りませんでした。我が子は確かにアレルギー肌ではありますが、食べ物は何でも口にしています。「私たちに何か出来ないかな?」漠然とそう思うようになり医師が主催する「食物アレルギー」のセミナーに参加したり、関連本をよく読むようになりました。
そんな食物アレルギーに関して「何ができんねやろ?」と何となく考え始めた頃、調味料始めとする原材料が高騰しました。問屋さんやスーパーさんの弊社商品に対する評価はいつも「いいもの作っているんだけどね・・・」や「味はいいよ」というもので中々お取り扱いには至りませんでした。その理由は簡単です、彼らに言わせると『高い』の一言です。私たちに価格に見合う商品力がないと言ってしまえばそれまでですが、乱立した店舗、特売やセールによる価格競争、そしてプライベートブランド(以下PB)への移行。大手メーカーさんや海外生産の商品に手作りで生産量にも限界のある弊社が太刀打ちできるはずもありません。「何のために、誰のために食べ物作ってんねんやろ?」「うちの会社や工場なんて無くても誰も困らんやん・・・ちゅう事は世の中における存在意義は?何の役にも立ってへんねやったら必要ないやん?」などと数年モンモンと考え込んでいたのも事実です。私たちの本当のお客様は流通の先にある消費者の方々なのに、店頭にも並べていただけないし、並べていただくには値段を下げなければならない訳です。実際のところ私たちメーカーが多少値段を下げたところで消費者の方々には還元されていないようです。もちろん真のお客様にとって安全で安い商品である方が良いに決まっています。私も一歩外に出れば消費者ですからそのような選択になる事はよく理解できます。では、我々が作る商品が高いのか?どうやらそんな事はなかったようです。
量販店がPBに流れているのも自己防衛のための必要な手段だと思います。スーパー、コンビニ、ホームセンター、ドラッグストア、家電量販店などが段々と時間的にも商品群においてもボーダーレスな価格競争となってきています。そこに納入するメーカーや問屋も当然価格競争に巻き込まれます。未曾有の世界経済金融不況に陥り、数年は消費の回復は見込めないと言われています。この流れは誰にも止める事はできません。確かに普段食べるものについては健康や品質よりも安さが選択されているのが昨今の消費動向のようです。
結局は量販店始めどの企業も生き残りをかけて必死に商いの方向性を探っています。今は消費低迷という環境下、低価格が優先になってしまうのは致し方のないことだと思います。少しは世の中の役に立つ企業でありたいと思う気持ち、そしてアレルギー特定原材料7品目を除去した特殊商品で生産量に限りがあり手作りで大型の設備を所有しない我々がご利用者様に美味しくてリーズナブルな価格の商品をご提供するためには、直接の販売しか手段は残されていません。この商品群について一切卸しをしない分、お客様に還元させていただく事で日々の食生活において便利にご利用いただけることを願っております。自分達で作った商品です、商品の事は一番よく分かっています。最終的に商品に対して責任を取れるのは他でもない私たちだけですから、自分達の手で直接お客様に魂を込めた商品を販売していくことに決めました。